03月13日
【スポット】大倉公園
【有形文化財めぐり 大倉桃山コース⑦】
四季折々に楽しめる日本庭園
JR大府駅から徒歩8分ほどの所にある大倉公園。
大倉公園内の茅葺門と休憩棟は、平成27年8月に、大府市で初めてとなる国の登録有形文化財に指定されました。
園内にある約2,800本のつつじは春になると園内を美しく彩り、毎年4月末には大倉公園と桃山公園で「つつじまつり」が行われます。
つつじの他、桜やアジサイやモミジなど四季折々の花木を楽しむことが出来る趣のある公園です。
国指定有形文化財の茅葺門
公園の始まりは3万本の桃畑
元々ここの建物は、大倉和親の別荘として建てられたものでした。
1904年、日本陶器合名会社(現在の株式会社ノリタケカンパニーリミテド)の初代社長となった大倉和親は、西欧の高級陶磁器を上回るほどの極上の陶磁器を製造したいという夢のために、父・孫兵衛とともに1919年(大正8年)に大倉陶園を設立しました。
1911年(明治44年)、大府の立地に着目した大倉孫兵衛は、陶管工場の建設を目的に大府町ガンジ山(現在の桃山町)にあった御料林の払い下げを受けて購入。
しかし、この地を受け継いだ和親は工場は建設せず、桃畑中心の大倉農園を作りました。
3万本の桃の木が植えられたガンジ山一帯は、春になるとピンク色に染まり、「大府の桃山」として新聞にも取り上げられたほどの美しさでした。
大倉和親の別荘は、大正期にこの農園の一画に建てられたものです。
しかし、連作できない桃は徐々に衰退。
1934年(昭和9年)、農園の区画整理をし、分譲住宅地としました。この時に住宅地の道路脇に桜の木も植えられ、現在の桜並木の基となりました。
国登録有形文化財の休憩棟へ続く道
平成に発見されたコンクリート製防空壕
1945年(昭和20年)2月、株式会社名機製作所初代社長の加治慶之助が大倉別荘地一帯を自宅用に購入。
この時に、現在の休憩棟地下にコンクリート製の防空壕が作られたようです。
防空壕の入口がある建物部分
深さ2.45m、広さは5.5畳ほどの頑丈な防空壕は、平成2年に発見されました。
発見当時は地下水で浸水されていました。現在は水抜きがされて中に入れるようになっていますが、天井からは今でも地下水がしみ出てきています。
普段は立ち入り禁止となっており、イベント時やふるさとガイドおおぶの案内時だけ公開されています。
イベントもいろいろ
大倉公園では毎年4月末に「つつじまつり」が行われます。
つつじまつりでは、園内で写生大会が催される他、桃山公園、向畑公園でもイベントが実施され、多くの来場者が訪れます。
2月には、大府盆梅展も行われています。
樹齢300年の梅の木も展示され、会場内は梅の香りで満たされます。
園内にある「ひょうたん池」
園内のひょうたん池にある親子のカッパ像は、大府市と友好都市提携をしている岩手県遠野市から友好の証として贈られたものです。
大倉公園に隣接して、大府市歴史民俗資料館もあります。散策の後に、大府市の歴史と生活文化に触れてみてはいかがでしょうか。
大倉公園から桃山公園に続く道沿いも桜やつつじが咲き、美しい光景となります。桃山公園にもぜひ足を運んでみてください。
【有形文化財めぐり 大倉桃山コース⑦ 大倉公園】
住 所 大府市桃山町5-74
※JR大府駅より徒歩8分。駐車場はありません
公開時間 9:00~日没まで。年中無休